ボトックスは だんだん 効果が低下する のか 

ボトックスを何回も注射すると、だんだん効き目がなくなるのか

ボトックスは、確かな効果を出す、強力な薬剤です。生まれてはじめて投与を受けた方は、強い効果を実感します。しかしながら、繰り返し注射を受けていくと、はじめはすごく効いた実感があったのに、ここ数回は効き目が落ちたのかな、と感じる方がいらっしゃいます。

これに対して、私は3つの考えを持っています。それは、

初回は大きな驚きを感じたが、時間が経過して、初回の記憶が不確かになると、効果が出て当たり前のような感覚を持ち、期待値に届かないと、効き目が落ちた、と感じてしまう。

ボトックスを注射した部位では、筋肉の収縮が抑えられ、その近隣部位では筋肉がよく動くので、痙攣を自覚する筋肉の箇所が変化します。これを踏まえて、注射部位を変化させる必要が生じてきます。

また、疾患による症状そのものが、以前よりも増強してきた場合には、初回と同量のボトックスでは、痙攣を抑える効果が乏しくなります。痙攣が強くなった筋肉に、追いかけて注射をすることが必要になってきます。

施療を受ける方の記憶を順にたどって細かく質疑応答しながら、また自宅で撮影された動画を見せていただいて、担当医師は熟慮しなければなりません。カルテ記載を、あらためて初診から見直し、担当医師は、状況をよく見て、よく考えて、最良の方向に施療を調整していくことが大切になります。

また、よく受ける質問として、繰り返しボトックスを注射していると、抗体ができて、ボトックスが効かなくなる、という医学情報があります。初診時にお渡しする書類にも、「この薬はタンパク質が主成分であるため、治療を続けていくうちに、体内にごくまれに抗体がつくられ、効果が減弱する可能性があります。」と、記載があります。確かに、抗体が産生されて、ボトックスが効果を出さなくなった報告があります。ただし、眼科で使用する50単位以下の少量で抗体が生じて効果を発現しなくなった報告はありません。ご安心ください。

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