ボトックスの注射手技

基本となる注射手技

医師免許証を持っていても、ボトックスを注射することはできません。ボトックスを注射するには、グラクソ・スミスクライン社の講習を受け、受講終了証の交付を受けなければ、注射は許可されません。ボトックス注射の対象疾患は複数あり、受講コ-スが複数あります。「眼瞼痙攣・片側顔面痙攣」が、その中のひとつのコ-スになっています。

講習では、薬剤の基本情報、眼瞼および顔面へのボトックス注射手技の基本となる形を学びます。

ボトックス注射の器材

ボトックスは、通常50単位のバイアルを用い、生理食塩液1.0ml、または2.0ml、または4.0mlで溶解して使用します。
薬剤と器具は、このようなものになります。

眼瞼痙攣に対して、講習で教わるのは、この基本形です。

顔面痙攣(片側顔面痙攣)に対して、講習で教わるのは、この基本形です。

この基本形から始まり、医師は経験を積みながら、自分のスタイルを構築していきます。私は、2001年にお茶の水井上眼科病院で施療を始め、いろいろと調べ、考え、工夫しながらこれまでに5800回注射しています。一方で、基本形から抜け出さずに施術を変えない、というのも多くの医師が守り続けるスタイルです。ホ-ムペ-ジに「6箇所ずつ注射します」と書かれているものをよく見ますが、これは常に基本形で施術しているということです。眼瞼痙攣は、左右のまぶたに注射するため、顔面の左右バランスを保つことが容易ですが、片側顔面痙攣では、顔面の片側に注射するため、左右のバランスに配慮することが難しく、難易度が高くなります。そのため、顔面痙攣へのボトックス注射は敬遠して、眼瞼痙攣だけを扱う眼科医師も数多くいらっしゃいます。施術方法には、それこそ多数の選択肢があるわけでありますが、極言すると、ボトックス注射のコツとは、どこに(部位)どれだけ(量)入れるか、に集約されます。

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